下葺き(したぶき)材とは?屋根下葺き材の種類と選び方

屋根は建物を守る重要な部分ですが、実は目に見える屋根材だけで防水しているわけではありません。
屋根の下には「下葺き材」と呼ばれる防水シートが敷かれ、最終的な防水機能を担っています。
本記事では、下葺き材の種類や役割、適切な選び方、施工方法、そして長持ちさせるためのメンテナンス方法まで詳しく解説します。
屋根リフォームを検討している方や、雨漏り対策を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
下葺き(したぶき)材とは?

下葺き材とは、屋根材の下に敷設するルーフィング(防水シート)のことを指します。これは屋根の土台となるコンパネ(野地板)の上に敷き込むことで、内部への雨水浸入を防ぐ役割を果たします。
屋根は単に屋根材のみで防水されているわけではなく、下葺き材が屋根の最終的な防水を担う重要な部分となります。
屋根の防水機能は2層構造
屋根の防水機能は、大きく分けて一次防水と二次防水の2層構造になっています。
- 一次防水 … 屋根材や板金などの外側の仕上げ材による防水
- 二次防水 … 下葺き材(ルーフィング)や捨て板金などの内部の防水層
一次防水である屋根材が紫外線や風雨にさらされ続けると、ひび割れや劣化が進行し、防水性能が低下します。
しかし、二次防水である下葺き材が適切に機能していれば、屋根材に不具合が発生したとしても、直ちに雨漏りすることはありません。
屋根の耐久性を支えるのは、実は目に見えない下葺き材なのです。
▶屋根下葺材としてのルーフィングの役割と選び方:雨漏りを防ぐために知っておきたいこと
下葺き材の劣化が招く問題

下葺き材は、時間とともに劣化し、ひび割れや破れが発生します。特に以下の要因により劣化が加速することがあります。
- 温度変化による膨張・収縮 … 夏の高温や冬の寒冷により、下葺き材が伸縮し、劣化が進む。
- 雨水や湿気の影響 … 湿気を含んだ下葺き材は脆くなり、破れやすくなる。
- 施工不良による寿命短縮 … 適切に重ね合わせていない、隙間があるなどの施工不備があると、劣化が早まる。
- 長期間の経年劣化 … 使用される材料によって異なるが、一般的なアスファルトルーフィングの場合、15~20年で劣化が進む。
下葺き材が傷んでしまうと、本来の防水機能が失われ、屋根の隙間から雨水が浸入することになります。これにより、野地板が腐食し、建物全体の耐久性にも悪影響を及ぼすことになります。
そのため、屋根リフォーム時には下葺き材の状態を確認し、必要であれば交換を行うことが重要です。

下葺き材の種類と特徴

下葺き材には、大きく分けてアスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの2種類があります。
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは、板紙や不織布にアスファルトを染み込ませた防水シートで、一般的に鉱石粉を塗布して仕上げられます。耐用年数は約15~20年とされています。
【特徴】
- コストが比較的安価
- 一般住宅で広く使用されている
- 防水性はあるが、耐久性は改質アスファルトルーフィングに劣る
改質アスファルトルーフィング
改質アスファルトルーフィングは、アスファルトにポリマーや合成ゴムを混ぜ、耐久性を高めた防水シートです。耐用年数は20年以上で、特に高耐久品は60年を超えるものもあります。
【特徴】
- 防水性・耐久性・耐候性が向上
- 柔軟性があり、ひび割れしにくい
- 片面粘着タイプもあり、穴を開けずに施工可能
▶アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの特徴と比較
下葺き材の選び方
下葺き材は、使用する屋根材や施工方法に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
屋根材の耐用年数に合わせる
屋根材の耐用年数に応じて、下葺き材の選択が重要になります。耐久性が異なるため、適切な組み合わせを選ばないと、下葺き材の劣化が屋根全体の耐用年数を左右することになります。
- スレート屋根 (耐用年数: 20~30年) → アスファルトルーフィングまたは改質アスファルトルーフィング
- 金属屋根(ガルバリウム鋼板) (耐用年数: 25~35年) → 改質アスファルトルーフィング推奨
- アスファルトシングル (耐用年数: 10~20年) → アスファルトルーフィングで可
- 瓦屋根 (耐用年数: 50年以上) → 高耐久な改質アスファルトルーフィング推奨
特に瓦屋根は耐用年数が非常に長いため、下葺き材もそれに見合った耐久性のあるものを選ぶ必要があります。
短命な下葺き材を使用すると、瓦自体は問題なくても、防水性能が低下し雨漏りのリスクが高まります。
建売住宅の下葺き材に注意
建売住宅では、コスト削減のために比較的安価な下葺き材が使用されることが多い傾向にあります。
- 見えない部分であるため、質の低いものが使われることがある。
- 初期コストを抑える目的で耐久性の低い下葺き材が選ばれやすい。
- 築10~15年ほどで雨漏りのリスクが高まることがある。
そのため、建売住宅を購入する際には、使用されている下葺き材の種類や耐用年数を事前に確認することが重要です。
また、リフォーム時には、安価な下葺き材のまま再利用せず、高耐久なものに交換することで、長く安心して住める住環境を整えましょう。
▶屋根の全面改修はいつ必要?部分補修との違いや選ぶべき屋根材の種類を紹介
下葺き材のメンテナンス方法
下葺き材は屋根の防水性を担う重要な要素ですが、長期間にわたって機能を維持するためには定期的なメンテナンスが不可欠です。以下に、効果的なメンテナンス方法を紹介します。
定期的な点検
- 屋根の専門業者による点検を少なくとも5~10年ごとに実施する。
- 屋根材のズレや割れ、剥がれなどの兆候をチェックし、下葺き材への影響を確認する。
- 屋根裏から雨染みがないかを確認し、雨漏りの前兆を早期発見する。
屋根材の補修・交換
- 屋根材に破損や浮きがある場合は、早めに補修や交換を行う。
- 屋根材がずれていると、その隙間から水が入り込み、下葺き材の劣化を早める原因になる。
屋根の清掃
- 落ち葉やゴミが溜まると水はけが悪くなり、下葺き材に負担がかかる。
- 特に谷部分や軒先などの排水口付近を定期的に清掃し、水がスムーズに流れる状態を維持する。
強風・台風後の点検
- 台風や強風の後は、屋根材のズレや剥がれを確認する。
- 飛来物による損傷がないかチェックし、必要に応じて補修する。
下葺き材の寿命を考慮したリフォーム
- 一般的なアスファルトルーフィングの寿命は15~20年程度。
- 改質アスファルトルーフィングの場合は20~60年と長寿命だが、定期的な点検と適切な施工が必要。
- 屋根リフォームの際には、劣化した下葺き材を新しいものに交換するのが理想的。
下葺き材の施工事例【カバー工法】
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根を被せる工法です。
特に傷んだスレート屋根のリフォームに適しており、費用を抑えつつ耐久性を向上させるメリットがあります。
施工の流れ
- 既存の棟板金を撤去し、屋根面を整える
- 既存の屋根の凸凹をならし、適切な施工ができるように準備します。
- 下葺き材(片面粘着タイプ)を搬入
- 片面粘着ルーフィングを使用すると、タッカー留めを不要とし、防水性を高めることができます。
- 軒先から棟に向かって敷設し、雨水の流れと逆方向にする
- 雨水が流れる方向とは逆に下葺き材を敷くことで、雨水の侵入をより防ぎます。
- シートの重ね幅は最低でも10cm以上確保し、強風や大雨時の防水性能を向上させます。
- 壁際の雨仕舞を丁寧に施工し、雨水の侵入を防ぐ
- 屋根と壁の境目は雨水が入り込みやすい部分です。立ち上げを十分にとり、確実に固定することで防水性を高めます。
- 棟部分を二重三重に重ねて防水処理
- 棟(むね)部分は屋根の頂点にあたり、雨や風の影響を最も受けやすい箇所です。
- 下葺き材を二重、三重に重ねることで、防水層を強化し、長期的な雨漏りリスクを軽減します。
- 下葺き材の施工完了
- 全体を見直し、施工に漏れがないかを確認した後、新しい屋根材を設置します。
下葺き材があれば雨漏りしないって、本当?
「下葺き材があるから雨漏りの心配はない」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、下葺き材が機能していても、絶対に雨漏りしないわけではないことを理解しておく必要があります。
下葺き材があっても雨漏りするケース
施工不良
- 下葺き材の重ね幅が足りない、シートが適切に接着されていない場合、隙間から雨水が浸入する可能性があります。
- 片面粘着タイプの下葺き材であっても、施工が雑だと接着不良が起こり、防水機能が低下します。
経年劣化
- アスファルトルーフィングの場合、15~20年ほどで劣化が進み、防水性が低下します。
- 改質アスファルトルーフィングも20年以上の耐久性がありますが、長期間の使用により性能が低下することがあります。
強風や台風による影響
- 台風や強風で屋根材が破損し、下葺き材が直接雨風にさらされると、隙間から雨水が入り込むことがあります。
- 風圧により下葺き材が浮いたり、破損したりすることで、防水機能が失われることがあります。
雨仕舞(あまじまい)の不備
- 屋根と壁の取り合い部分や棟、谷部分の施工が不十分だと、そこから水が侵入し、下葺き材を超えて雨漏りすることがあります。
下葺き材の性能を最大限に活かすには?
- 適切な施工を行う … 下葺き材の正しい施工手順を守り、確実な重ね張りと密着を行う。
- 耐久性の高い下葺き材を選ぶ … 改質アスファルトルーフィングなど高耐久のものを使用する。
- 定期的なメンテナンス … 屋根材のひび割れや浮きを点検し、必要なら補修を行う。
下葺き材は屋根の重要な防水層ですが、施工やメンテナンスが適切でなければ、雨漏りのリスクはゼロにはなりません。
屋根全体のバランスを考え、屋根材と下葺き材、施工品質を総合的にチェックすることが大切です。
屋根の下葺き材に関するよくある質問
Q1. 下葺き材の耐久年数はどれくらい?
A. アスファルトルーフィングは15~20年、改質アスファルトルーフィングは20年以上で、高耐久品は60年以上持つものもあります。
Q2. 下葺き材が劣化するとどうなる?
A. 破れや縮みが発生し、防水性能が低下します。最終的には雨漏りの原因となるため、定期的な点検が必要です。
Q3. 屋根リフォーム時に下葺き材を交換する必要はある?
A. 既存の下葺き材が劣化している場合、新しいものに交換するのが理想的です。特に屋根葺き替え工事では必須となります。
Q4. 片面粘着タイプの下葺き材のメリットは?
A. 施工時に穴を開ける必要がなく、防水性が向上します。また、シート同士の密着性も高く、強風時のめくれを防ぎます。
Q5. 下葺き材は自分で施工できる?
A. 屋根の施工には専門的な知識と技術が必要なため、DIYはおすすめできません。専門業者に依頼するのが安全です。
まとめ
屋根リフォームや修理を行う際には、下葺き材の種類と性能を理解し、最適なものを選択することが重要です。
- 下葺き材は屋根の二次防水として重要な役割を果たす
- アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの2種類がある
- 屋根材の耐用年数に適した下葺き材を選ぶべき
- 適切な施工によって下葺き材の性能が最大限発揮される
屋根の防水性能を長く維持するためには、下葺き材の品質と施工技術にこだわることが重要です。屋根リフォームを検討する際には、専門業者に相談し、適切な下葺き材を選択しましょう。
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