緩勾配屋根とは?メリット・デメリットと急勾配との違いをプロが解説!

「緩勾配(かんこうばい)屋根ってどういう屋根?」「急勾配と何が違うの?」
屋根の勾配(傾斜角度)は、デザインや建物の性能に大きく影響します。緩勾配の屋根には、コストやメンテナンス性の面でのメリットがある一方、雨漏りや屋根材の選択肢が限られるなどのデメリットも存在します。
本記事では、緩勾配屋根の特徴を詳しく解説し、急勾配との違いやメリット・デメリットを比較しながら、最適な屋根選びのポイントをお伝えします。
屋根勾配とは?

屋根勾配とは、屋根の傾斜角度のことを指します。建物のデザインや性能に大きく関わり、風雨や積雪への耐性、メンテナンス性、コストに影響を与えます。
屋根勾配の表示方法
屋根勾配には「寸勾配」と「角度勾配」の2種類の表記があります。
- 寸勾配: 水平距離10に対して、垂直方向の高さを寸で表す(例:3寸勾配=高さ3 / 水平10)
- 角度勾配: 寸勾配を角度(度数)に換算(例:3寸勾配=約16.7度、10寸勾配=約45度)
一般的には寸勾配で表記されることが多いです。
▶屋根勾配のタイプ別ガイド:急勾配と緩勾配のメリット・デメリット
緩勾配屋根とは?特徴とメリット・デメリット

緩勾配(かんこうばい)屋根とは、3寸勾配以下(約16度以下)の傾斜が緩やかな屋根を指します。平屋やモダンなデザインの住宅、工場や倉庫などでよく採用されています。
緩勾配屋根のメリット
① コストが安く済む
- 勾配が緩いことで、屋根の面積が少なくなる
- 足場を設置せずに作業できることが多く、施工費用が安くなる
- 使用する屋根材の量が少なく、材料費が抑えられる
② 風の影響を受けにくい
- 風の抵抗を受けにくく、台風や強風時の被害が少ない
- 突風による屋根材の飛散リスクが低い
③ 落雪を防ぎやすい
- 急勾配の屋根と違い、雪が滑り落ちにくい
- 積雪の多い地域では安全性が高まる
緩勾配屋根のデメリット
① 雨漏りしやすい
- 勾配が緩いため、雨水が流れにくく滞留しやすい
- ホコリやゴミが溜まり、雨水の浸透を助長してしまう
② 耐久性に影響
- 屋根材の上に水がたまりやすく、腐食や劣化が進みやすい
- カビやコケが発生しやすい
③ デザイン性の問題
- 地上から屋根がほとんど見えず、外観がシンプルになりすぎることも
④ 断熱効果が低い
- 屋根と天井の間のスペースが狭く、断熱材を十分に設置しにくい
⑤ 使用できる屋根材が限られる
- 瓦屋根は基本的に4寸以上の勾配が必要
- ガルバリウム鋼板や金属系の屋根材が主に使用される
緩勾配屋根と急勾配屋根との違いは?

急勾配(6寸勾配以上)と緩勾配の違いを詳しく比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
雨水の流れと雨漏りリスク
- 急勾配屋根: 傾斜があるため雨水がスムーズに流れ、屋根に水が溜まりにくく、雨漏りしにくい。
- 緩勾配屋根: 雨水の流れが遅く、屋根に水が滞留しやすいため、適切な防水対策が必須。
施工コスト
- 急勾配屋根: 屋根面積が広くなるため、施工費や材料費が高くなる。また、急な傾斜のため足場が必要になり、人件費もかかる。
- 緩勾配屋根: 屋根面積が小さく済むため、材料費や施工費が抑えられる。足場が不要な場合もあり、コストを抑えやすい。
風の影響
- 急勾配屋根: 角度があるため、強風時に風圧を受けやすい。屋根材が飛ばされるリスクがあり、台風の多い地域では補強対策が必要。
- 緩勾配屋根: 風の影響を受けにくく、安定した耐風性を持つ。強風地域では緩勾配の方が安全。
▶屋根勾配と伸び率って何?屋根の傾斜の度合いや影響をわかりやすく解説します!
デザイン性と外観の違い
- 急勾配屋根: 立体的なフォルムで重厚感があり、デザインの自由度が高い。伝統的な和風住宅やヨーロピアンスタイルの家に多く採用される。
- 緩勾配屋根: シンプルでモダンな印象になり、フラットなデザインの建物と相性が良い。店舗や倉庫にもよく使われる。
断熱性と室内環境への影響
- 急勾配屋根: 屋根裏が広く確保できるため、断熱材を厚く施工できる。また、屋根裏を活用したロフトや収納スペースを設けることも可能。
- 緩勾配屋根: 屋根裏のスペースが少ないため、断熱性能が低下しやすい。特に夏場は屋根の熱が室内に伝わりやすく、断熱対策が必要。
使用できる屋根材
- 急勾配屋根: 瓦、スレート、金属屋根など幅広い種類の屋根材を選択可能。
- 緩勾配屋根: 瓦は適さず、主にガルバリウム鋼板や金属屋根、防水シートを使用。雨漏り対策として適切な屋根材を選ぶことが重要。
急勾配屋根と緩勾配屋根の違いを理解することで、それぞれの建物に適した屋根の選択が可能になります。
▶急勾配な屋根の家に住むメリットとデメリットとは?耐震性などの特徴をチェック!
緩勾配屋根は雨漏りリスクが高いって、本当?

緩勾配屋根は、急勾配屋根に比べると確かに雨漏りのリスクが高いとされています。しかし、適切な設計とメンテナンスを行うことで、十分にリスクを抑えることが可能です。
雨漏りリスクの原因
- 水はけが悪い: 屋根の傾斜が緩やかなため、雨水が屋根に滞留しやすく、浸水のリスクが高まる。
- 防水層の劣化: 経年劣化で防水シートやコーキングが傷むと、雨水が建物内部に侵入しやすくなる。
- 施工不良: 施工時に適切な勾配や防水処理がされていないと、早期に雨漏りが発生することがある。
雨漏りを防ぐための対策
- 適切な防水施工: 防水シートを重ね貼りし、コーキングをしっかり行う。
- 水はけを良くする設計: 排水の流れを考慮した勾配設計を行う。
- 定期点検とメンテナンス: 屋根材の状態を定期的にチェックし、劣化部分は早めに補修する。
緩勾配屋根は確かに雨漏りのリスクが高めですが、適切な対策を取ることで安心して長期間使用することができます。
緩勾配屋根を長持ちさせるメンテナンス方法

緩勾配屋根は適切なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばし、雨漏りのリスクを低減できます。
防水層の定期点検と補修
緩勾配屋根は水はけが悪いため、防水層の劣化が早まりやすいです。防水シートや塗膜のひび割れ、剥がれがないかを定期的にチェックし、必要に応じて補修しましょう。
定期的な清掃
ホコリや落ち葉、鳥のフンなどが溜まると、水の流れを妨げ、腐食や雨漏りの原因となります。特に雨樋の詰まりを防ぐために、定期的な清掃を行いましょう。
適切な屋根材の選定
雨漏りを防ぐためには、耐久性の高い屋根材を選ぶことが重要です。ガルバリウム鋼板、シート防水、アスファルトシングルなど、緩勾配に適した屋根材を選びましょう。
雨樋のメンテナンス
雨樋が詰まると水がスムーズに流れず、屋根に滞留する原因となります。特に落ち葉やゴミが溜まりやすい場所は、定期的に確認し、必要なら掃除を行いましょう。
屋根塗装による保護
防水性を向上させるために、適切なタイミングで屋根の塗装を行うのも有効です。特に金属屋根の場合は、サビ防止のための塗装を定期的に施しましょう。

緩勾配屋根におすすめの屋根材

緩勾配の屋根では、雨漏りを防ぎ耐久性を確保するために適切な屋根材選びが重要です。適した屋根材を選ぶことで、メンテナンスの頻度を減らし、長期的にコストを抑えることができます。
ガルバリウム鋼板
- 特徴: 軽量で耐久性が高く、錆びにくい特殊コーティングが施されている。
- メリット:
- 軽量で建物への負担が少ない。
- 防水性が高く、緩勾配でも水が浸透しにくい。
- 耐久性が高く、メンテナンスが少なく済む。
- デメリット:
- 断熱性が低いため、別途断熱対策が必要。
- 雨音が響きやすい。
シート防水(塩ビシート・ゴムシート)
- 特徴: 防水層を屋根全体に施工するため、雨水の浸入を完全に防ぐ。
- メリット:
- 継ぎ目が少ないため、雨漏りリスクが極めて低い。
- 紫外線や温度変化に強く、長期間安定した性能を発揮。
- 軽量で施工が容易。
- デメリット:
- 定期的なトップコート塗装が必要。
- 施工技術により品質にばらつきが出ることがある。
緩勾配屋根に不向きな屋根材とは?

緩勾配屋根は傾斜が緩やかなため、使用できる屋根材が限られます。適さない屋根材を使用すると、雨漏りや耐久性の低下を招く可能性があるため注意が必要です。
瓦屋根
瓦屋根は美しい外観と耐久性が魅力ですが、基本的に4寸(約22度)以上の勾配が必要とされます。緩勾配屋根では、瓦の重さによる負担や、雨水の浸透による雨漏りのリスクが高まるため不向きです。
波板(トタン)
波板やトタン屋根は安価で施工が容易ですが、防水性能が低く、特に低勾配では雨水が溜まりやすいため適していません。長期間の使用で錆びやすく、劣化が進むと雨漏りの原因になりやすいのもデメリットです。
スレート屋根
スレート屋根はコストパフォーマンスに優れていますが、緩勾配では雨水が適切に流れず、コケやカビが発生しやすくなります。また、割れやすい性質があり、長期間の耐久性を確保するには適切な勾配が必要です。
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングルは軽量で施工が簡単ですが、低勾配では防水性が不足しやすいです。特に豪雨時に雨水が逆流しやすく、耐久性を損なう恐れがあるため、適切な防水処理が施されていないと使用が難しくなります。
コンクリート屋根
コンクリート屋根は耐久性が高く、フラットなデザインが可能ですが、重量があるため住宅には不向きです。また、断熱性能が低いため、適切な断熱対策を行わないと室内環境が悪化する可能性があります。
緩勾配屋根に適した施工方法と注意点

緩勾配屋根では、防水対策が特に重要です。以下の施工方法と注意点を押さえておきましょう。
防水層を厚くする
- 緩勾配では雨水が流れにくいため、防水シートや塗膜防水を厚めに施工する。
- 接合部分や継ぎ目は特に慎重に施工し、水の侵入を防ぐ。
定期的な清掃を行う
- 屋根表面にホコリやゴミが溜まりやすいため、年に1〜2回の清掃を行う。
- コケやカビの発生を防ぐため、防カビ処理や防水塗装を施すのも有効。
雨樋のメンテナンス
- 雨樋の詰まりを防ぐため、落ち葉やゴミを定期的に取り除く。
- 雨樋が機能しているか確認し、水はけが悪くなったら早めに修理する。
緩勾配屋根はどんな建物に向いている?活用例

緩勾配屋根は、コストやデザインの面からさまざまな建物で採用されています。
平屋住宅
- シンプルでモダンなデザインを演出しやすい。
- 太陽光パネルを設置しやすい。
- 屋根裏スペースが少なくなるため、室内の天井高を確保しやすい。
倉庫や工場
- 屋根面積が小さく施工コストを抑えられる。
- 風の影響を受けにくく、耐久性が向上。
- メンテナンスがしやすい。
店舗やガレージ
- シンプルで洗練された外観を作りやすい。
- 施工費を抑えつつ、実用的なデザインにしやすい。
- 屋根材を工夫することで、耐久性を向上させられる。
緩勾配屋根は、コストパフォーマンスやデザイン性を重視する場合に最適です。ただし、防水対策をしっかり行い、適切なメンテナンスを継続することが重要です。
まとめ
緩勾配屋根は、施工コストが低く、モダンなデザインにも適している一方、雨漏りのリスクが高く適切なメンテナンスが必要です。特に、防水対策をしっかり行い、定期的な点検を怠らないことが長持ちさせる鍵となります。
適切な屋根材の選定や防水層の強化、雨樋のメンテナンスを行うことで、緩勾配屋根の寿命を延ばし、快適な住環境を維持できます。また、施工時には専門業者と相談し、建物の用途や気候条件に合わせた最適な勾配を選ぶことが重要です。
緩勾配屋根の導入やメンテナンスについて疑問がある方は、専門業者に相談することをおすすめします。プロの知識と技術を活用することで、安全で長持ちする屋根を実現できます。
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